将来是非増えてほしい「統合医療」について

私が好きな海外ドラマのひとつに「Dr.ハウス」という作品があります。主人公ハウスは天才的な医師。その腕を買われて、「解析医療部門」のチーフを努めています。

この解析医療というもの、日本ではあまり馴染みがありませんね。これは、患者の症状をトータルに見て、どんな病気であるかを探りあて、治療を施す部門のことです。

通常西洋医学(=現代医学)は、患者の「病気」や「症例」を体のパーツごとに診察します。

たとえば目の具合が悪いなら眼科で、胃腸の具合が悪いなら消化器科で検査をする、というように。

ですから「目眩がして気持ちが悪いのでどこへ行けばいいのか分からず最初は内科へ行くと、耳鼻科へ行くように言われた。でも耳鼻科の検査でも原因が分からなくて、じゃあ脳外科へ行って下さい、と言われてしまった」などといったような事がしばしば起きるのです。

西洋医学は「○○科」というカテゴリーでそれぞれの研究が細かく進められて来た経緯がありますから、ある意味仕方のないことだとも言えます。

冒頭で紹介したDr.ハウスは、西洋医学の医者ですからもちろん治療に用いる手法は西洋医学的なものです。でも、患者の病気を診断する時の手法は、かなり東洋医学に近いとドラマを見ながら私は思いました。

彼は患者が訴えている症状を片っ端から黒板に書き出し、当てはまりそうな病気を全て候補としてピックアップします。それに加えて患者の日常生活ぶり、性格、周囲とのつながりなどを助手の医師たちを総動員して調査させるのです。

そうすることで、患者の「ひととなり」を含んだ多角的な症状へのアプローチが可能になり、他の医者では診断がつかなかった難病の正体が明かされる・・・というのが毎回のストーリーになっています。

様々な症状から想起される病名は数多く存在します。それらから最終的に一つの病名を導きだすのですから、そのためには実に広範囲な医学知識が必要になります。そこでは○○科の医者というカテゴリーは通用しません。

このような従来の科目ごとの医療を超えた医療が統合医療と呼ばれ、実は日本にもまだ数は少ないものの、行っている病院があるのを最近知りました。

それを知ったときは嬉しかったですね。私は未来の医療の理想的なあり方は西洋医学と東洋医学、更には代替医療と呼ばれている民間療法が手を組むことだと考えているからです。

患者の立場からすると、病気になった時に望むことはぶっちゃけ「治ること」ですよね。

要するにどんな方法を使おうと、治ればそれで良いのです。しかし誰にどんな治療法が最も向いているのかは、実際に受けてみないと分かりません。

しかし現状では西洋医学が圧倒的に人々から信頼を受けており、東洋医学はせいぜい「鍼灸」「漢方薬」ぐらいで認知されている状況です。

もし従来「敵同士」であったそれぞれの医学がタッグを組んで、総合的に患者さんを診る事ができるようになれば、私見ですがおそらく様々な病気の治癒率が上がることでしょう。

例えば西洋医学は外科的手術や感染症治療には圧倒的な強みを持っていますが、東洋医学や代替医療は西洋医学が苦手としてきた、数値的には異常を見いだせない不定愁訴群などに強いという特長を持っています。東洋医学では人間の体を「心」との関連性で捉えているからです。

だから私が描く未来の理想的な病院の姿はこうです。

患者さんはまずDr.ハウスのような分析医の診察を受ける。そこで診断がついたら、その人に最も合いそうな治療方法で治療をしてもらう。もちろん薬も西洋薬、漢方薬にこだわらず最も効き目がありそうなものを処方してもらう。そんな感じです。

実現するにはおそらく様々なハードルがあるでしょう。優秀な分析医の育成も必要になってきます。

でもできることなら、私がおばあちゃんになる頃までに、こういう医療システムが今よりももっと増えてくれたらなぁと願っているのです。

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